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時代は変わる
2008年05月10日 (土) 17:06 | 編集
尊敬する先輩の過去のブログ(その当時、ブログという言葉など無かったですが、、、)を何気なくパラパラと見て(パラパラという言葉はブログには似合わないですね)おりました。


、、、とある記事に目が止まりました。


その記事が書かれたのは2001年1月、、、21世紀の扉を開いたばかりの頃です。

おいらは同年に開業しましたから、1月といえば開業準備や大学退職のための身辺整理でドタバタしていた時期です。


以下の文章を無断で転載させていただきました、、、ごめんなさい。



歯科とは、本当に不思議な科だ。患者さんが、病名や処置法までを決めてくるし、慢性疾患すら口腔内ではケガの感覚で、なかなか話が噛みあわない場合も多い。とある子供のお父さん。
「どうして子供の虫歯治療にこんなに時間がかかるんだ!こんな小さな虫歯は削ってすぐ詰められるだろう。だいたい、治療前に口の中真っ赤にして歯磨き指導する歯医者なんか見たことも聞いたこともない。よけいなお世話だ。虫歯の治療だけしているべきだし、現に虫歯になっている子供を相手に虫歯予防の歯磨き指導なんて、肺ガンにかかっている人に、たばこはガンになると言っているようなものだ。」 
治療方針の解説や内容はお母さんに説明していたのでお父さんは聞いてないと言う。説明をしましょうと呼ぶと、前述のようにまくし立てるわけです。私の仕事は診断と処置方法の決定ですなんて言おうものなら大変。こういうバカはほうっておきます。あえてもう一度言います。あなたはバカです。その被害に遭ったあなたの子供は悲劇です。
こうなってしまった原因をあれこれ考えてみましたが、どうやら原因は歯科医の方にありそうです。歯科医が過去から現在までプロとしての仕事を全うしていない、これがすべてです。現代の人権など個人の欲望と同じ次元に成り下がっていますから、この調子で話が進む場合、プロとしての威厳や信頼や包括がすべてを解決できるわけです。しかし、それに答えてきた歯科医師があまりにも少ないため、こういう事態になってしまうんです。先程のお父さんも良く知っている歯科医がいるそうです(笑)。その先生は、分からないような虫歯まで見つけだしすぐに処置をしてくれるんだそうです。はい、カリオロジーなど良く勉強している先生方や思慮深い歯科医師はピンと来ましたね!このお父さんの間違いと勘違いがとんでもない結果を招くことが。さて、それではどうやってこのお父さんに教えてあげればいいのでしょう。




いや~、、、感慨深いというか、なんというか、、、

そうなんです。たしかに当時はそうでした。そういう時代でした。



おいらが歯医者になったばかりの1990年、当時は歯医者と患者の位置関係では「歯医者が上」という部分がまだ残っておりました。

「先生に全てお任せします」と言う患者さんもそれなりに多くて、ある意味で「診療がスムーズにいっていた」と言えます。


1990年より以前は、さらに「歯医者が上」だったわけですが、上記の先輩がおっしゃっている通り、その時に歯医者がプロとしてやるべきことをやってこなかった、、、(やりたくても押し寄せる患者をさばくのが精一杯で、それどころではなかったというのが正しいですかね、、、)
これが1990年以降に事態を悪化させることになるわけです。


おいらが歯医者になった1990年当初から大学病院では十分にその兆候はあったのですが、年を追うごとに「歯医者が上」ではなくなり、患者と歯医者は対等になってゆきます。
対等な関係になること自体はとても良いことです。


しかし前述のように、歯医者は「やるべきことをやってこなかった」わけですから、事態はややこしいことになってゆきます。


患者との対等な関係を受けて、歯医者としては当然サービス向上を図るわけですが、サービスの意味を履き違えた歯医者が多かったように思います。

「患者さんの歓心を買うための治療」に走った例も多かったです。
果ては「全て患者さんの仰せの通りにいたします」というような歯医者も出現しました。
世の中には様々なニーズがあるので、そのような歯医者の存在もアリだとは思いますが、極めて少数派であるべきでした。

少数派であるべきこのような歯医者が、その必要量を遥かに超えて増加してしまったのが20世紀末だったかもしれません。



そして21世紀の扉を開く頃、上記の先輩の記事のような事例が多く見られるようになります。

おいらも開業したての頃は、同様の問題に頭を抱えたものでした。


しかしそれから月日は流れ、今では患者さん側の意識も随分変わりました。
今や「予防」を否定する患者さんは本当に少数です。
これは本当に素晴らしいことです。



そしてこれは、世紀またぎの約20年間にわたり、この先輩のような歯科医師達が血のにじむような努力をし、それを継続してきた成果なのです。
決して厚労省など行政の手柄ではありません。


しかし行政は、このような歯科医師達を称えることはせず、さらに困窮させようとしています。
まるで「歯医者が上」だった時代のツケはまだ残っているぞ、と言わんばかりに。



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