2020年02月28日 (金) 22:22 | 編集
新型コロナウイルス、日本国内でもややパニックの様相を呈してきました。
25日に政府が示した「基本方針」と、26日に安倍首相による全国の小中高への休校要請により、国全体が「ただならぬ雰囲気」になっているのが分かります。
やはり、国のトップの発言は影響力が大きく、マスコミをはじめ、各種法人も直ぐに追随し、国民全体が敏感に反応するものだと再認識しています。
そして、社会全体がパニックの様相を呈してくると、意味のない買い占めも横行します。
根拠のないデマが流布された結果、トイレットペーパーや生理用品、備蓄系の食料が店頭から姿を消しました。
これだけ情報が瞬時に手に入る世の中になっても、50年ちかく前のオイルショックのようなことが起きるんですねぇ。。。
さて、昨夜に安倍首相が全国一律の休校要請をしたことの衝撃は非常に大きく、国民から理解が得られていないのが現実です。
首相も厚労相も文科相も「一日も早く学校を閉めて、子供たちを守りたい」とか、「これ以上の感染拡大を防止し」「一刻も早く収束させるために」のような文言を使って、国民に理解を求めていますが、実際のところはこれが大間違い。
首相も厚労相も文科相も北海道知事も、休校することの目的:ピークコントロールを理解していないフシがあります。
子供を守ることが目的であれば、感染が拡がりそうな学校だけ休校すれば良いわけで、通常の学級閉鎖、学校閉鎖で充分です。
一律休校やイベント自粛というのは、感染をくい止めるためではなく、医療機関の崩壊を防いだり、重症者への治療法を確立したり、新薬を開発したりするための、いわば「時間稼ぎ」であり、ピークカット(流行のピークを遅らせ、流行のピークを低くなだらかにすること)が目的なのです。そして、そのためには「ここ1〜2週間が極めて重要な時期」なわけです。

だから、全国一律で休校しても感染拡大は収まりません。今後も感染者数は着実に増えます。でも感染の拡大スピードはゆっくりになって医療崩壊を防ぐ助けになります。そして、流行の終息は「むしろ遅れる」可能性が高いです。
このことは多くの国民が理解できていませんので、今のうちから国民にしっかり説明をする必要があります。そうしないと「休校しても感染者は増え続けているじゃないか!」という批判が噴出します。
現時点では、政府の中ですら国全体としてのピークコントロールについての認識が共有できていない、、、これは由々しき懸念材料です。