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ふだん目にしないグラフ
2020年04月08日 (水) 22:24 | 編集
 
数字を使って説明されると分かりやすい反面、妙な説得力があるので、ミスリードが起きやすいんですね。
だから詐欺師が巧妙に数字を用いたりするわけです。
同じくグラフを使った説明も、非常に分かりやすい反面、グラフの形や、ベースラインの設定、目盛りの間隔など、ちょっとした細工で印象が大きく変わるので、これまたミスリードが起きやすいんですね。

新型コロナウイルス騒ぎが起きてからというもの、この2ヶ月半の間、もう嫌というほど見た感染者数の累積グラフ、、、


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たしかに3月終盤から感染者数が急増していて、TVなどでは「感染拡大が止まりません」などと報じられ、「今すぐにでも緊急事態宣言を出すべき」なのに「明らかに政府の対応は後手後手」と論評されたりします。

一方で、あまり目にすることないPCR検査数と陽性者数を重ねたグラフ、、、


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検査数は確実に増えていますが、その増え方と比較すると、陽性者の数はそれほど増えていません。
検査をしても陰性者の方が圧倒的に多いことが分かります。
「政府は感染者数を少なく見せるために検査数を絞っているんだ」という批判もありますが、「ある程度の症状になるまで検査を受けさせていないにもかかわらず、そのほとんどは陰性である」こともまた事実です。
諸外国に比べて日本のPCR検査数が圧倒的に少ないのは事実なので、「実際には発表されている感染者数の10倍いても不思議じゃない」というのも、たしかにその通りなのですが、皆が「検査を受けたい!」と施設に殺到すると、その多くを占める陰性の人が無駄に感染する危険が高まるのもまた事実なわけです。

しかしながら、このグラフが頻繁にTVなどで使われてしまうと、国民の危機意識が緩んで感染拡大が急速化することも危惧されるので、なるべく国民の目に触れないようにしている可能性はありますね。

このグラフを見れば「全国的には」まだまだ蔓延しているとは言えないわけで、政府が緊急事態宣言を出すのに慎重になっていたことも理解できます。
一方で、東京都に限ると感染の拡大が顕著で、医療崩壊が切迫してきているわけで、東京都医師会が緊急事態宣言を早く出すよう要望したりするなど、宣言を出す必要性があったと言えます。
「東京都も北海道のように独自に緊急事態宣言を出すべきだった」という意見もありますが、人口が桁違いに多く、一極集中している東京がそれをやってしまうと、全国各地への急激な避難(疎開)が始まり、感染が広範囲に拡大する危険性がありました。
今回の緊急事態宣言においても対象地域を東京だけにしなかったのは、そういう意図があったのかもしれません。



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