2020年11月17日 (火) 22:20 | 編集
親愛なるNGM先輩がブログで「13DAYS」という映画の紹介をされていて、非常に面白そうだったので、amazon premium で視聴してみました。
内容は「第3次世界大戦に最も近づいた13日間」、いわゆるキューバ危機について描いたものです。
前年に米国がキューバのカストロ政権打倒を目論んで失敗したピッグス湾事件が起こり、ベルリンの壁の建設がなされ、まさに米ソ冷戦のピークとも言うべきソ連によるキューバへの核ミサイル配置、、、ひとつ間違えば核戦争勃発となる緊迫の13日間です。
歴史に「もしも」はないですが、アメリカがキューバに侵攻していたら、、、ソ連が譲歩案を呑まなかったら、、、

最前線を司る軍部は当然のように「先手を打って建設中のミサイル基地を叩くべき」と先制攻撃を主張。
やはり芽は小さいうちに摘み取ろうとする強硬路線を主張します。
問題が生じたら素早く手を打つ、先制攻撃は極めて重要であり、強硬策の実行を素早く決断する、これは非常に勇気がいることのようなイメージがあります。

しかし、この映画を観ると、強硬策を取らずに外交交渉に賭ける方が遥かに勇気が必要のように感じるのです。
米ソが互いに戦争を覚悟し、それを覆すのにどれだけギリギリの外交の攻防戦が行われたか、さらに言うと「外交」というものがどれほど危険な賭けの連続であるかを痛感させられました。

そして、この映画が漏らさずに伝えていることのひとつ、、、外交交渉の切り札となったであろうミサイル基地建設の証拠写真も最前線の軍人が命がけで撮影したものですし、実際にこの13日間に命を落としたのも外交官ではなくて最前線の軍人です。

この映画を観終えて、思い浮かんだのが新型コロナ対策のことです。
相手はソ連ではなく新型ウイルス、先制攻撃と強硬策を訴えるのは医療界やマスコミです。
感染の拡大が確認されたら素早く手を打つ、人の移動や経済活動の制限を決断するには相当な勇気が要るように映ります。
しかし、もっと長期を見据えて、経済が壊滅するのを防ぐために強い制限はかけない、、、実はこちらの方が遥かに勇気が必要なのではないでしょうか。なにせ多方面から大いに批判されますからね。