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コロナ禍と戦時下の共通点
2020年12月14日 (月) 22:23 | 編集

本日のニュース速報は、まさかまさかの展開、、、GoToトラベルを「全都道府県」で今月28日から来年1月11日まで停止することになりました。

自分は終戦から20年後に生まれたので、戦時中の世の中の雰囲気など知る由もありません。
しかしながら、なぜ圧倒的不利と分かっている戦争を始めてしまったのか?とか、どうして原爆を落とされるまで戦い続けたのか?、などという戦後生まれの人達に共通の疑問に対する答えが、今般の新型コロナに対する世の中の雰囲気から少し見えたような気がします。

そもそも戦争というのは、戦争当事国にとって非常にコスパの悪い行為で、国と国との全面戦争になった場合、負けた方はもちろんですが、勝った方も多くの人命を失うのはもちろん、国の経済状態が極めて悪くなるのです。
だから、国の舵取りを担う者が長期的視野に立った場合、国際紛争の解決手段として、戦争を可能な限り避けようとするのは極めて自然なことです。

しかし、軍隊を司る者は目下(もっか)の戦況悪化をとにかく嫌います。
敵の勢力が増強する前に封じ込めることを主張します。
軍人は戦闘に関する専門家ですから、戦時下において軍人の発言力が強くなるのは当然です。
もちろん戦中〜戦後は国の経済は大きく疲弊しますが、軍人がそれを考慮した発言をする必要はありません。
それを考えるのは国のトップに立つ政治家の仕事です。

医療従事者は目下の感染状況悪化をとにかく嫌います。
感染が広がる前に封じ込めることを主張します。
感染予防に関する専門家は医療関係者ですから、コロナ禍において医療人の発言力が強くなるのは当然です。
もちろんコロナ禍の最中〜コロナ禍後は国の経済は大きく疲弊しますが、医療人がそれを考慮した発言をする必要はありません。
それを考えるのは国のトップに立つ政治家の仕事です。

新聞やラジオ、テレビなどは、最前線の人たちの奮闘ぶりを幾度となく讃え報道します。
一般国民は「兵隊さんたちは私達のために命をかけて戦ってくれているのだから皆で手紙を書きましょう」「リスクを冒して国民の生命を守る医療従事者の皆さん本当にありがとうございます」などと、敬意と感謝を表し、感染拡大防止のために自らに自粛した生活を課し、盆や正月に帰省することも控え、「欲しがりません勝つまでは」をスローガンにするのです。

戦時下でもコロナ禍でも、最前線で戦う人達に対するリスペクトを皆で共有することは、とても大切なことだと思います。
ですから我々国民が出来る後方支援、コロナ禍であれば各人が徹底して行う感染予防策などを、弛まず行うべきであることは言うまでもありません。

しかしながら、世の中の雰囲気が自粛を過度に強要する同調圧力となってくると、世の中の方向性と異なることを言ったり、少しでも娯楽や遊興をしたりすると、非常に強い非難や圧力を受けることになり、戦時下では「非国民」と言われたりします。

観光業に携わる人たちは「年末年始の書き入れ時に収入が激減することになれば、もう本当に苦しい、コロナで死ぬよりも前に死んでしまう」と思っていても、テレビの取材を受ければ「大変つらいですが、私どもは皆様の安心と安全のために今できることを精一杯やるだけです」と言うのが関の山。
間違っても「年末年始直前になってキャンペーン停止だなんて冗談じゃない。旅館は潰れたっていいと言うんですか?、お願いだから全国から県を跨いで泊まりに来てください!」なんて言えません。
言ってテレビで放送されたが最後、炎上&嫌がらせの嵐でしょう。
「GoToキャンペーンは絶対に予定通り続けてくれないと困る!」なんて正直にテレビカメラの前で顔と名前を出して言える人は、ほんの一握りだけです。

戦争が長引いて生活は苦しくなる一方なのに、家の外では文句など言えなかったのと同様に、新型コロナの病気そのもので死ぬ人よりも、経済で死ぬ人の方が圧倒的に多いことが明らかになっても、最も困窮している業界が声を大にして異を唱えることができないのが現状です。

戦時下とコロナ禍で共通していること、、、それはマスコミ等に煽られた国民が発する世の中の同調圧力が、国の舵取りをするトップの理性をも揺り動かしてしまうということです。


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