2021年03月11日 (木) 22:23 | 編集
被災地の皆様、被災地以外で今でも様々な影響を受けている皆様、
日々の暮らしが少しでも穏やかでありますようお祈り申し上げます。
多くの犠牲者の方々に心よりご冥福をお祈り申し上げます。
今日(3月11日)は東日本大震災からちょうど10年、、、10年でひと区切りということはなく、11年目、12年目にも風化させることなく記憶に留めておきたいと思うのですが、「十年一昔」という言葉もあるように、ひとつの節目であることもたしかです。
そんな思いも込めて、今日は当時を振り返りたいと思います。
少々長くなりますがお付き合いください。
東日本大震災には2日前の3月9日に前震があって、当日の本震、そしてその後の余震の記録、、、

発生日時 最大震度 震源地 マグニチュード
平成23年3月9日
11時45分(前震) 5弱 三陸沖 7.3
平成23年3月11日
14時46分(本震) 7 三陸沖 9.0
平成23年3月11日
14時51分(余震) 5弱 福島県沖 6.8
平成23年3月11日
14時54分(余震) 5弱 福島県沖 6.1
平成23年3月11日
14時58分(余震) 5弱 福島県沖 6.6
平成23年3月11日
15時06分(余震) 5弱 岩手県沖 6.5
平成23年3月11日
15時08分(余震) 5弱 岩手県沖 7.4
平成23年3月11日
15時12分(余震) 5弱 福島県沖 6.7
平成23年3月11日
15時15分(余震) 6強 茨城県沖 7.6
平成23年3月11日
16時28分(余震) 5強 岩手県沖 6.6
平成23年3月11日
17時40分(余震) 5強 福島県沖 6.0
もうとにかく余震が異常で、、、この後数週間にわたり携帯電話の緊急地震速報はギュインギュイン鳴りまくるわけです。
10年経って振り返ると、こんなことが現実としてあったんだぁ、、、と思います、本当に。
そして地震発生から3日後の3月14日、、、前代未聞の計画停電ってのが行われるということで、半ばパニックになりかけていたけど、結局「計画停電初日は停電しなかった」という、、、いわゆる肩透かし。
おいら日記にこんなことを記しています。
歯科治療って、計画的な予約が必須だから、近所にお住まいの患者さんはまだ良いとしても、遠くからいらっしゃる方は判断が本当に難しい。。。
明日からも暫くはずっとこんな感じかぁ、、、患者さんはもちろんだけど、スタッフの皆にも負担がかかるなぁ。。。
でも、被災した人達に比べたらこんなの、、、ねぇ。。。
今日も片道2時間以上かけて来て下さった患者さん、、、予約時刻は停電予定時間の真っただ中だったけど、無事に診療出来て良かった。。。
そして、翌15日から計画停電が本格スタート!、、、と同時に、この15日は関東一円で放射線量が通常の10倍に急上昇した日でもあります。
当時の政府は原発に関する情報を逐一隠蔽し、その後も小出しにしていたので、非常に不安が高まりました。
前日14日からフランス大使館が在日フランス人に対して関東からの退避を勧告したり、アメリカが日本の大使館業務を他の場所へ移管したりしていたので、15日は「ついにきたか、、、」という思いがありました。

計画停電は本当に辛かった、、、特に藤沢市の多くの地域は「死の第1グループ」と言われた実施頻度の高いグループに当たったせいで、1日2度の停電も多く、診療業務に多大な影響を受けました。
東日本大震災は、東北地方全体が被災したイメージで語られる傾向が強いですが、実は内陸〜日本海側は実質的な被害が殆どなかった地域も多く、むしろ首都圏の計画停電対象地域の方が「事実上の被災地」と言えると思うものです。
計画停電の初日(15日)の日記の一部抜粋です。
今日は15時からの午後の診療が計画停電の予定時間と丸かぶりでした。
そこで、午後の予約の人達に連絡し、日にちを変更していただいたり、午前のキャンセルが出たところや昼休みの時間帯にきていただき、なんとか切り抜けました。果たして16時になり停電。その後、日が暮れて、完全に真っ暗。
診療室に電話番としてひとり残ったおいらの友はAMラジオ、、、やはり災害時の最終兵器はトランジスタラジオですね。そして、ウチは診療室に昔ながらの黒電話も併設しているので、停電時でも通話可能です。古き良きアナログの偉大さを再認識したのでありました。
19時に停電終了。灯りがつくと、ホッとするし嬉しいですね。たかだか3時間の停電でこれですもの。被災地の人達は本当に本当に大変です。
、、、で、今日の日記は終了、、、と思ったら。。。静岡県東部で震度6強、、、もうね、、、映画でもここまでやらないでしょ。大丈夫か、日本、、、なんとか持ちこたえて。。。
東日本大震災の直後には、長野や静岡で「本来なら大ニュースになるような地震」が起きているんですけど、3.11のインパクトが強すぎて、多くの人の記憶にないんですよね。
さて、3月19日にもなると当方のストレスも相当に溜まっているのが日記の文面からも分かります。
1日に1度、3時間の計画停電があることは、電力事情を考えると大いに理解できますし、それに協力するのが我々の責務だと思います。しかし、さらにもう1度、1日に2回の停電というのは本当に辛いです。3時間づつ合計6時間の停電は診療業務に多大な影響を及ぼします。予約の患者さんに電話をかけまくるだけで、多くの時間を削られます。これは本当に大きなストレスです。
しかし、聞くところによると、今まで1度も全く停電していない地域というのが結構あるというではないですか。(もちろん、都心など日本の中枢部にそのような例外的な地域を設定する必要があることは理解しています。)苦労を広く皆で分かち合う観点からすると、全く停電していない地域でも1回は停電をしてもらって、当方の2回目の停電を回避するということは出来ないのでしょうか。今の状況では、輪番などというにはあまりにも程遠く、大いに不公平だと思うのです。
そして、地震発生から2週間近く経った3月23日、、、計画停電はまだまだ続くことが分かって心の底からガックリ、、、でも「被災した人たちに比べればこんなもの」という気持ちで当時は働いていた記憶があります。
以下は当時の当院のHPでの患者さんへの案内です。
【計画停電について】
今回の東日本大震災により、東日本の電力設備が大きな被害を受けました。
東京電力によると、電力消費を抑えるため、計画的に停電となる時間が発生するとのことです。
停電時間はその日によって変わり4月まで続くようです。
停電してしまうと歯科治療の多くは困難となります。
診療中にも中断せざるを得ない事態も生じることもあります。
こちらからも予約変更お願いの連絡をする場合がありますので
ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
今後の藤沢市(「第1グループ」)の計画停電の予定については、次のとおりです。
3月24日(木)の予定
・18時20分から22時00分の間の3時間
3月25日(金)の予定
・15時20分から19時00分の間の3時間(中止となりました)
3月26日(土)の予定
・12時20分から16時00分の間の3時間
3月27日(日)の予定
・9時20分から13時00分の間の3時間
・16時50分から20時30分の間の3時間(供給力の不足が懸念される場合に追加)
3月28日(月)の予定
・6時20分から10時00分の間の3時間
・13時50分から17時30分の間の3時間(供給力の不足が懸念される場合に追加)
3月29日(火)の予定
・18時20分から22時00分の間の3時間
3月30日(水)の予定
・15時20分から19時00分の間の3時間
3月31日(木)の予定
・12時20分から16時00分の間の3時間
、、、こうして文章を書いていると、10年前の当時のなんともいえない「気持ちの悪さ」が蘇ってきました。
やはり、たまには「あの時」を思い出して、そう遠くない将来の大災害に心を備えようと思うものです。