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九尾の釜飯という駅弁
2021年07月05日 (月) 22:25 | 編集
昨日宇都宮駅の売店で買った「九尾の釜飯」、、、買えてとても嬉しかったので、包装紙を捨てる前にカメラに納めました。
「九尾の釜飯」は、かつて黒磯駅の駅弁で、父親の実家が福島にあった関係で、帰省するときに通る黒磯駅で買うのが楽しみで、少年時代に染み付いた思い出の味なのです。


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東北本線の黒磯駅は、当時は那須という一大観光地への玄関口であり、しかも黒磯以南が直流電化、黒磯以北は交流電化と、電化方式が切り替わるため、昔は黒磯駅で機関車を付け替えていたんですね。
そのため停車時間も長く、駅弁を購入する時間にも余裕があった、、、あれ?、これって信越本線の横川駅と背景が似ていますね。

信越本線の横川〜軽井沢間は碓氷峠の急勾配がある関係で、峠の麓の横川駅には特急をはじめとした全列車が停車し、ここで登坂用の補機(電気機関車)を連結したので、停車時間が長くなり駅弁を買う時間が確保され、「峠の釜飯」が全国区の有名駅弁となりました。

黒磯駅の「九尾の釜飯」が「峠の釜飯」ほど有名になれなかったのは、昭和43年(1968年)以降、特急電車が増えたことが大きいです。
特急電車は交直流の両方に対応できる車両が使用されたため、黒磯駅を通過、もしくは停車しても停車時間はわずか、ということになったことが影響しました。
そんなわけで、黒磯駅で乗降する客以外で「九尾の釜飯」を買えるのは、普通列車や急行列車の乗客が中心となり、あとはほんの一部の機関車牽引の特急列車の乗客だけということになりました。

それに加えて、昭和57年(1982年)の東北新幹線の開業が追い討ちをかけます。
那須への観光の玄関口は、黒磯駅から隣の那須塩原(旧東那須野)駅に移り、駅弁の売り上げも大きく落ち込んだことでしょう。

「峠の釜飯」は新幹線開業後もドライブインでの販売に活路を見出しましたが、「九尾の釜飯」は販売縮小が続き、2005年に販売を終了したようです。
「峠の釜飯」は新幹線開業に伴い、横川〜軽井沢間の在来線が廃止されるという前代未聞のインパクトの強さで危機感が半端じゃなかったのでしょう、、、それが返って駅弁以外での販売手法に活路を見出せた要因かもしれません。

現在は「復刻版」として東北自動車道のサービスエリアや、宇都宮駅の改札外の売店で休日のみ販売しているとのこと。
横川駅の「峠の釜飯」ほど有名ではありませんが、味だけなら「九尾の釜飯」の方が上だと以前から言われていましたが、40年ぶりに実食してみたところ、そのことを再認識することができました。



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