2023年01月30日 (月) 22:26 | 編集
「よかれ」と思ったことが当初の想定通りにいかなかった経験というのは誰しもあると思います。
1年半前に行われた東京五輪で選手村に導入され話題となった“段ボールベッド”。
ベッド下に荷物を置く空間を確保しつつ、車椅子の選手でもスムーズにベッドに移れるようにするため、座面はマットレスも含めて50センチ以下に設定し、木製やパイプフレームを含めた素材の検証の結果、最も優れた耐久性を示したのが段ボールだったとのこと。
もちろんリサイクルも意識したこの取り組み、理想とは裏腹に不満を顕す選手も一定数いて、中には多人数でベッド上でジャンプを繰り返し「破壊」する選手まで現れて、おそらく段ボールベッドじゃなかったらこの選手達もこんな行為はしなかったでしょう。
事前に段ボールベッドだということが発表されていなかったら、意識せずに使用した選手が多かったことと思います。
東京五輪の約半年後に開催された北京五輪の選手村では、ベッドが「段ボールじゃない!」と材質チェックしてSNSにUPする海外選手が多数現れました。
そして北京五輪で採用された電動リクライニングベッドは大好評、、、まぁ人間ってそんなもんですよね。
「人のもてなしに不平を言うのは教養のない人」で、「教養がなければエコなんて意識しないだろう」という意見も分かるんですが、結局のところ「イメージ戦略には失敗した」ということなんでしょう。
段ボールのベッドでも「機能的には何ら問題ない」し、エアウィーブ社の最先端のマットレスを採用して、むしろ「寝心地は最上級」だったはずなんだけど「段ボールに寝る=貧困」のイメージは覆せなかった、、、実際問題として材質が段ボールだったことで不具合が生じたことはなかったですし、一部の意識高い系の選手は「このベッドは最高よ!」と発信してくれていましたけどね。

まぁ後に炙り出される五輪関連の汚職疑惑を知るにつけ、この段ボールベッドの選考過程も「大丈夫かな〜」なんて軽く穿っちゃうんですけどね。