2023年07月04日 (火) 22:27 | 編集
子供の頃、と言っても小学校低学年くらいまでの話だが、自分とは明らかに「質の違う子」というのがいた。
その当時、大人たちなんていうのは、親と担任の先生を除けば、シンプルに「大人たち」と一括りにできるほどで、まぁあえて分類するならば、怖い大人か、怖くない大人か、くらいだった。
それに対してその「質の違う子」は、もう明らかに異質だった。
何が異質だったかというと、いつもすごく「大人ウケする態度」をとるのである。
要するに、大人から見た「かわいい子供の態度」である。
もっと言えば「本当の意味での子供らしい態度ではない」のであって、だからこそ異質であるのだが。
そういう異質の子は男子にもいるにはいたが、圧倒的に女子に多かった。
ただ、自分もこの歳になると、当時の大人たちが、そういう子をチヤホヤしていた気持ちもよく分かる。
単純にかわいい態度ということに加え、昔は今よりも子供の数も多かったし、そいういう子は例外なく大人に従順なので、子供の集団をまとめあげる時などに重宝したのだろう。
当の「質の違う子」も、最初は無意識にとっていた態度でも、その自分の態度に大人たちが喜んでくれれば楽しいだろうし、それがプラスのモチベーションとなり、さらに態度に磨きがかかっていったのだろう。
そういう子も10歳くらいになると、大人たちの反応も徐々に薄くなってゆき、だんだんと普通の子たちに埋没して、異質でもなんでもなくなるというところに落ち着くわけだ。
この歳になってこんな思い出が残っているってことは、きっと当時、そういう子が羨ましかったのかもしれない。